チョ・ミンス
1965年ソウル生まれの俳優。1980年代にKBSドラマで頭角を現し、『砂時計』など90年代の話題作に出演。2012年の『嘆きのピエタ』でヴェネツィア国際映画祭に参加し、大鐘賞などで主演女優賞を受けた。近年は『The Witch/魔女』などで強烈な存在感を放つ。
更新 2026-10-09/出典確認 2026-10-09
生い立ちとデビューまで
高校生でCFモデルに
チョ・ミンスは1965年1月29日、ソウルで生まれた。きっかけは商業高校3年のときに舞い込んだCMモデルの仕事で、これを足がかりにKBSの特別採用タレントとして演技の世界に入った。初めてのドラマは同局の文芸ドラマ枠「TV文学館」の『火』である。同じ枠の『狂画師』では盲目の少女という難しい役を任され、新人とは思えない芝居で視聴者の記憶に残った。映画への足がかりとなったのは、同じ1986年に公開されたイ・ギュヒョン監督の長編デビュー作『青(ブルー・スケッチ)』で、のちに長く夫婦役を組むチョン・ホジンとここで初めて共演している。同じ頃には化粧品のCMにも起用され、都会的で洗練された美人という当時のイメージが定着した。
活動の歩み
KBSドラマの顔として
80年代後半から90年代にかけて、彼女はKBSドラマに欠かせない顔となった。1987年の『欲望の門』は財閥創業者をモデルにした物語で、苦労して夫の事業を支えたのに心を離されてしまう糟糠の妻を演じている。こうした粘り強い女性像は、1990年から1998年まで続いた農村ドラマ『대추나무 사랑걸렸네(ナツメの木に愛が実った)』の次男の嫁チェ・ミョスン役で決定的になり、ここでもチョン・ホジンと夫婦を演じた。この間、1989年にKBS演技大賞の優秀演技賞、1990年に百想芸術大賞テレビ部門人気賞、1992年にはKBS演技大賞の最優秀演技賞を受けている。90年代半ばからはSBS『砂時計』(1995年)をはじめMBC・SBSの連続ドラマにも活躍の場を広げ、2010年代に入っても『내 딸 꽃님이(私の娘コンニム)』(2011年)、『결혼의 여신(結婚の女神)』(2013年)などで息の長い活動を続けた。
『嘆きのピエタ』からの第二幕
転機は2012年、キム・ギドク監督の『嘆きのピエタ』だった。借金取りの男の前に母を名乗って現れる謎の女ミソンを演じ、ヴェネツィア国際映画祭のレッドカーペットを踏んだ。作品は金獅子賞に輝き、国内でも大鐘賞と韓国映画評論家協会賞で主演女優賞を受賞、同年には玉冠文化勲章も授与された。この成功で、彼女には一筋縄ではいかない強烈な役が集まるようになる。2018年の『The Witch/魔女』では研究施設を率いるドクター・ペク、続編『THE WITCH/魔女 -増殖-』では双子の妹という一人二役で特別出演した。2020年にはtvN『謗法』で巫女ジンギョン役、2023年には映画『ラブリセット 30日後、離婚します』にも出演し、2025年にはENA『ライディング人生』で、ソウル・大峙洞の塾通いの送迎に奔走する祖母ユン・ジア役を演じ、『謗法』以来約5年ぶりにドラマへ戻った。
エピソード
幻の主演女優賞
『嘆きのピエタ』のヴェネツィアでの評価には有名な裏話がある。審査の場で彼女の演技は主演女優賞の有力候補に挙がっていたが、金獅子賞を受けた作品には主要な個人賞を重ねて与えないという映画祭の慣例があり、結局賞は別の作品の俳優に渡ったと伝えられている。本人はキャリアでいちばんつらかったのは、表現したいことが山ほどあるのに仕事の声がかからない時期だったと振り返る。若い頃の映画界は検閲が厳しく、扇情的な作品ばかりが量産されていた。そうした出演を断ってドラマで役を探し続けた結果、演技は鍛えられたものの、財産や名声はさほど手にできなかったという。そんな悔いをこぼした彼女に、俳優キム・ジョンスは「ビルなんか買っていたら、その資本にのみ込まれていたはずだ」と声をかけた。この一言で気持ちが軽くなったと、本人が明かしている。
私生活と連帯
私生活では2005年に4歳年上の男性と遅めの結婚をしたが、性格の違いから4年後に離婚した。2人の間に子どもはいない。2017年には、政権のブラックリスト問題で苦境に立たされた独立映画の作り手たちを、彼女が人知れず物心両面で支えていたことが報じられた。表に出ることなく小規模な作品の現場を助けていたという事実は、映画関係者のあいだで好意的に受け止められ、話題を呼んだ。
プロフィール
作品
年は作品の公開日・放送開始日です。本人の参加時期を示すものではありません。
出典
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- チョ・ミンス — 人物の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-09
- The Witch/魔女 — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-09
- 謗法 — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-09
- THE WITCH/魔女 -増殖- — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-09
- ラブリセット 30日後、離婚します — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-09
- ライディング人生 — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-09