チョ・ジョンソク
チョ・ジョンソクは1980年ソウル生まれの俳優・歌手である。2004年にミュージカルでデビューし、2012年の映画『建築学概論』で広く知られるようになった。『嫉妬の化身』『EXIT』『賢い医師生活』などで、笑いと切実さを行き来する演技に定評がある。[8][9][5]
更新 2026-10-08/出典確認 2026-10-08
生い立ちとデビューまで
ギタリストを夢見た少年
チョ・ジョンソクは1980年12月26日、ソウルに生まれた。本人によれば、もともと目指していたのは俳優ではなくギターの道で、大学もギター専攻で受験していた。子どもの頃から学芸会で歌い、修学旅行では踊り、教会の聖歌隊や演劇部にも加わるなど、人前で表現することが好きだったという。家でも音楽に合わせて踊ったりギターを弾いたりして過ごし、それがとにかく楽しかったと振り返っている。しかしギター専攻の入試には合格できず、浪人生活は3年目に入っていた。[5][6]
教会の舞台から演劇科へ
進路を変えるきっかけは、高校時代から熱心に通っていた教会での活動だった。教会の催し「文学の夜」で初めて芝居に触れ、教会内のミュージカルでは出演だけでなく演出や照明も経験した。その姿を長く見ていた伝道師から、3浪中に「演技に才能があるようだから一度やってみたら」と勧められ、彼はそれを一種のメッセージとして受け止めたという。キリスト教系のドラマ・ミュージカル講座で約1か月だけ本格的に演技を学び、ソウル芸術大学演劇科に合格した。在学中は身体訓練のサークルに入り、転がり方から椅子への座り方まで体の使い方を磨いた。この経験は後のアクション撮影でも役立ったと本人は語っている。[6][5]
ミュージカル俳優として出発
2004年、ミュージカル『くるみ割り人形』で舞台デビューした。その後『スプリング・アウェイクニング』などに出演し、2006年には『ヘドウィグ』の主人公役に初めて起用された。同役は2008年、2011年、2016年にも演じ、肌の白いヘドウィグという意味の「ポドウィグ」という愛称で親しまれた。とはいえ映像作品に出る前の知名度は限られ、親戚に会うたびに「いつテレビに出るのか」と聞かれていたという。親族が「俳優チョ・ジョンソク」を実感したのは、2012年の『建築学概論』とドラマ『キング~Two Hearts』が重なった時期だったと本人は話している。[8][7][5]
活動の歩み
『建築学概論』で映像の世界へ
初めてスクリーンに登場したのは2012年の映画『建築学概論』で、彼の名を広く知らしめたナプトゥギ役を演じた。本人によれば、親戚が「俳優チョ・ジョンソク」に気づくようになったのはこの作品からで、ドラマ『キング~Two Hearts』の放送と重なった時期に、知名度の変化を現実に実感したという。2004年にミュージカル俳優としてデビューした彼は、その後も映画『観相師』やドラマ『ああ、私の幽霊さま』(2015年)などに出演し、映像作品でも独特のアドリブで親しまれていった。[9][5][8][12]
『嫉妬の化身』と『EXIT』
2016年のSBSドラマ『嫉妬の化身』では、コン・ヒョジンと共演して記者イ・ファシンを演じ、ロマンスとコメディを自在に切り替える演技で高い評価を得た。放送終了後には、この役がどの作品よりも多くの刺激と新しい感情を与えてくれたとコメントしている。2019年の映画『EXIT』では、有毒ガスに覆われた都心から脱出を図る無職の青年ヨンナム役でイム・ユナと共演した。撮影前からクライミングを練習し、ワイヤーアクションにも挑んだ。作品は公開最初の週末に300万人を超え、最終的に942万人を動員した。[10][11][15]
『賢い医師生活』と「アロハ」
2020年に始まったtvN『賢い医師生活』では、医大の同期5人組の一人、イ・イクジュンを演じた。病院では医師、休日にはバンド仲間という設定で、彼はギターを弾きながら歌う役回りも担った。劇中歌として発表した「アロハ」は2020年4月の公開後、国内の音楽チャートで12日間1位を占め、第1シーズン最終回の視聴率は14.1%(ニールセン・コリア)とシリーズ最高を記録した。本人は人気の理由を、平凡な人々の日常にある温かさとユーモアの力だと分析している。作品はその後第2シーズンも制作され、シリーズとして続いた。[9][4][16]
主演作の連続と新たな挑戦
2024年はドラマ『魅惑の人』で、強くも哀れな王イ・インを演じ、最終回で自己最高の視聴率7.8%を記録した。同年春には8年ぶりに『ヘドウィグ』へ戻り、1次チケットは即日完売した。夏の主演映画『パイロット』は471万人を動員。翌2025年夏の主演映画『좀비딸(ゾンビ娘)』は、ゾンビになった娘を守ろうとする父親の物語で、同年公開の韓国映画として初めて500万人を突破した。2026年6月には、偽札作りに手を染める男チャ・ミョンジョを演じるNetflixシリーズ『ペーパーマン』(仮題)への出演が発表された。[8][15][16]
エピソード
台本になかった名台詞
出世作のナプトゥギには、彼のアドリブから生まれた場面が少なくない。後にKBS『ハッピートゥゲザー3』で台本を見せながら、役名すら「ナプトゥギ」としか書かれていなかったと明かした。有名な台詞「어떡하지, 너?(どうするんだよ、お前)」はもともと台本になく、ヘアムースを塗りながら畳みかける場面もほぼ即興で作ったという。ただ本人は、笑わせようと力むとかえって笑いは生まれないと考えている。台本と状況を信じて真剣に演じた結果として可笑しさが生まれるのだと語り、場を一人で沸かせるコメディアンへの敬意も口にしている。[12][5]
妻の予言と歌手デビュー
『賢い医師生活』で歌った曲のうち最も思い入れがあるのは「내 눈물 모아」だという。原曲を歌った故ソ・ジウォンのファンで、20代の頃に偶然出演したラジオ番組でこの曲を歌い、月間チャンピオンになった思い出があると明かした。「アロハ」は2018年に結婚した歌手Gummyに発表前に聴かせたところ、春の気分に合うからヒットしそうだと言われたが、本人はまったく予想していなかったという。当時は歌手活動の予定はないと答えていたが、2024年9月にはNetflixのバラエティ『新人歌手チョ・ジョンソク』と連動し、全曲の作詞・作曲・プロデュースに名を連ねた初のフルアルバム『チョ・ジョンソク』を発表した。[9][14]
女装は「慣れている」
2024年の映画『パイロット』では、失言で職を失った人気パイロットが妹の名前を借り、女性パイロットとして再就職するという役で女装姿を見せた。変身への負担を問われると、『ヘドウィグ』で何度もやってきたので特になかったと冗談めかして答えている。一方で、顔が大写しになる映画で観客を物語に引き込めるかが撮影当初からの最大の課題だったとし、減量や声の工夫に加え、扮装・衣装チームの功績が大きかったと語った。宣伝用うちわの表(男性の姿)と裏(女装姿)を当時5歳の娘に見せたところ、どちらも「パパ」と見抜かれたという。[13]
体を張った『EXIT』
『EXIT』の撮影に向けては、クライミングの技術に加えて基礎体力づくりやパーソナルトレーニング、鉄棒の練習まで重ねた。冒頭の鉄棒の場面は代役ではなくほぼ自分で演じたと胸を張る。10メートルを超える高さで一日中ワイヤーに吊られる撮影は、脇や脚が痛み、息をするのも苦しかったという。子どもの頃に経験した最大の「災難」を尋ねられると、住んでいた半地下の家が大雨で浸水しかけ、水をかき出した記憶を挙げた。完成作を初めて見た試写会では、泣く場面でもないのに撮影の記憶がよみがえって胸が熱くなったと話している。[5][11]
プロフィール
作品
年は作品の公開日・放送開始日です。本人の参加時期を示すものではありません。
出典
リンク先の著作権は各発行元に帰属します。本文は転載せず、確認した事実をもとに書き起こしています。
- チョ・ジョンソク — 人物の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- 魅惑の人 — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- トゥー・カップス — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- 賢い医師生活 — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- チョ・ジョンソク『EXIT』インタビュー:ギター志望から俳優へ、コメディ観KBS연예(KBSメディア)/本人・関係者インタビュー/確認日 2026-10-08
- チョ・ジョンソク、演技を始めたきっかけを語る(ソウル芸大演劇科合格まで)스포츠조선/本人・関係者インタビュー/確認日 2026-10-08
- チョ・ジョンソク、8年ぶりにミュージカル『ヘドウィグ』へSBS연예뉴스/公式一次情報/確認日 2026-10-08
- 『ヘドウィグ』復帰から歌手デビューへ:デビュー20年目のチョ・ジョンソク더팩트/参考出典/確認日 2026-10-08
- 『賢い医師生活』終了インタビュー(日刊スポーツ記事を含む)Korea JoongAng Daily/本人・関係者インタビュー/確認日 2026-10-08
- 『嫉妬の化身』終了に寄せたチョ・ジョンソクのコメントSBS연예뉴스/公式一次情報/確認日 2026-10-08
- 『EXIT』試写会:クライミングとワイヤーアクションの準備SBS연예뉴스/公式一次情報/確認日 2026-10-08
- 『ハッピートゥゲザー3』で明かした『建築学概論』ナプトゥギの名台詞の裏話매일경제 스타투데이/参考出典/確認日 2026-10-08
- 『パイロット』インタビュー:女装役への負担と準備전자신문/本人・関係者インタビュー/確認日 2026-10-08
- 「新人歌手」チョ・ジョンソク、初のフルアルバムを9月9日発売매일경제 스타투데이/参考出典/確認日 2026-10-08
- 『ゾンビ娘(좀비딸)』、2025年の韓国映画で初の観客500万人突破경향신문/参考出典/確認日 2026-10-08
- Netflixシリーズ『ペーパーマン』制作決定とキャスト発表Netflix/公式一次情報/確認日 2026-10-08