スヒョン
スヒョンは1985年ソウル生まれの俳優・モデル。2006年にドラマでデビューし、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のヘレン・チョ役でハリウッドに進出した。近年は『満ち足りた家族』で百想芸術大賞を受賞するなど韓国作品で存在感を高めている。
更新 2026-10-09/出典確認 2026-10-09
生い立ちとデビューまで
ニュージャージーで過ごした少女時代
スヒョン(本名キム・スヒョン)は1985年1月25日にソウルで生まれた。父が大企業の海外駐在員としてアメリカへ赴任したため、5歳から一家でニュージャージー州に移り住み、小学5年生のときに帰国している。以後はソウルで育ち、のちに英語名クラウディア・キムで海外の撮影現場に立つ語学力は、この幼少期に身についたものである。将来の夢は年齢とともに変わり、幼いころは歌手、中学時代は国際弁護士を志した。高校に入るとテレビのニュースキャスターに憧れるようになり、そのきっかけはCNNのアジア向けヘッドラインニュースを見たことだったという。
キャスター志望からモデルへ
進学先は梨花女子大学の国際学部である。キャスターへの夢をかなえるため、在学中の3年間は学内の英字紙『Ewha Voice』で記者として活動し、『コリア・タイムズ』やアリランTVでもインターンを経験した。TOEICで満点を取ったこともある。高校・大学の同窓生の証言では、背が高く人目を引く外見に反して、本人は口数の少ない落ち着いた学生だった。音楽や映画にも関心が広がっていたころ、母の後押しを受け、締め切り当日にスーパーモデル選抜大会へ書類を出した。これが2005年の韓中スーパーモデル選抜大会での1位につながり、芸能界への入口となった。
デビューと4年の空白
朝の情報番組に出ていた彼女に目を留めたのは、ドラマプロデューサーのオ・セガンだった。こうして2006年、SBSドラマ『ゲームの女王』で女優としての第一歩を踏み出す。演じたのは、チュ・ジンモ扮する主人公の友人で、ひそかに彼を想う法律事務所の国際弁護士パク・ジュウォンで、この役で2006年のSBS演技大賞ニュースター賞を受けた。同年末には俳優パク・ジェジョンと出演した通信会社のCMも評判になっている。ところが2007年初めに広告の仕事を終えると、大学生活と俳優業を両立させることに迷いが生じ、自分の進む道をじっくり考えるため、およそ4年にわたって表舞台を離れた。
活動の歩み
韓国ドラマでの再出発
2010年、ドラマ『逃亡者 PLAN B』のソフィー役で復帰した。続いて医療ドラマ『ブレイン 愛と野望』(2011年)に助演で出演し、2012年のシットコム『スタンバイ』では主演を務め、2013年の『7級公務員』ではスパイ役を演じた。ただ、この時期はまだ広く名の知られた存在ではなく、役者としての方向性を模索する時期が続いた。本人は後年のテレビ番組で、俳優仲間チャ・インピョの勧めで海外のNGOと関わった経験が、再び俳優の道に打ち込む決意につながったと語っている。もっとも2024年の取材では、慈善団体の活動に歌や踊りで参加しただけで、団体で働いたわけでも演技をやめようとしたわけでもないと説明しており、細部の受け止め方には揺れがある。
ハリウッド作品への進出
ハリウッドへの扉を開いたのはオーディションだった。『ワイルド・スピード』シリーズでは手応えをつかみながらも、降板予定だった俳優が戻ったことで出演はかなわなかった。しかし、このとき彼女に注目したキャスティング関係者を通じて、Netflixドラマ『マルコ・ポーロ』と映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の話が舞い込む。アベンジャーズへの起用は2014年3月、ウォルト・ディズニー側が正式に発表した。当初は悪役だと報じられ、役どころについては臆測ばかりが飛び交ったが、2015年4月にトニー・スタークの友人である遺伝子工学者ヘレン・チョだと公表された。これが初めての映画出演であり、作品は韓国で観客1,000万人を超えるヒットとなった。
相次ぐ海外作品とその後
アベンジャーズ以降は勢いに乗り、『マルコ・ポーロ』ではモンゴル帝国の王女クトゥルン役を任された。SF映画『イコールズ』、スティーヴン・キング原作の『ダークタワー』(2017年)、そして2018年の『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』ではナギニ役を演じている。ただ、『マルコ・ポーロ』がシーズン2で打ち切られ、ほかの作品も評判が伸び悩んだことで、ハリウッドに定着するまでには至らなかった。本人の演技そのものへの酷評は少なく、巡り合わせの悪さが重なった形である。2019年にはマックスマーラの「ウィメン・イン・フィルム・ガラ」に韓国人女優として初めて招かれた。2020年代に入ると軸足を韓国作品へ移し、2021年にYGエンターテインメント、2025年5月には사람엔터테인먼트(サラムエンターテインメント)と専属契約を結んでいる。
韓国作品で開いた新境地
2023年、Netflixの『京城クリーチャー』で物語の黒幕といえる前田役を演じ、冷酷な存在感で強い印象を残した。翌2024年のJTBCドラマ『ヒーローではないけれど』では、かつて人気モデルだったが極度の肥満で飛ぶ力を失った超能力一家の娘ボク・ドンヒを演じ、100kgの特殊メイクも受け入れて「人生キャラ」との評価を得た。同年にはホ・ジノ監督の『満ち足りた家族』で初めて韓国映画に出演し、ソル・ギョング、チャン・ドンゴン、キム・ヒエと並んで、事件を冷静に見つめるジスを演じた。この役で2025年の第61回百想芸術大賞映画部門の助演女優賞を受賞。同年9月には第30回釜山国際映画祭の閉幕式で司会を務め、2026年にはJTBCの時代劇ロマンス『신의 구슬(神の玉)』で高麗の慶和公主ワン・ヒ役を演じることになった。
エピソード
断ったハリウッドの主演
ハリウッドの俳優組合に登録していることもあり、韓国に活動の軸を移してからも海外からの出演オファーは届き続けているという。2024年には、『ヒーローではないけれど』でボク・ドンヒを演じていた時期に、ハリウッド映画のヒロイン役を辞退していたことが報じられた。特殊メイクで体形を大きく変える役を選んだ判断と合わせ、華やかな海外キャリアより役柄の手応えを優先した選択として話題を呼んだ。また『マルコ・ポーロ』でモンゴルの王女を演じた彼女が、『신의 구슬』ではモンゴルと対立する高麗の王女を演じる巡り合わせも注目され、外国の時代劇と韓国の時代劇の両方で主要な役を担った初の韓国人俳優として紹介されている。
結婚・出産と離婚
2019年12月14日、韓国系アメリカ人の実業家とソウルの新羅ホテルで結婚式を挙げた。2020年10月1日には第1子となる娘が誕生している。しかし結婚から約5年後の2024年9月23日に離婚を発表した。私生活の変化を経ても仕事のペースは落ちず、2025年の百想芸術大賞の受賞スピーチでは、共演者や監督に感謝を述べたうえで、忙しく働く自分を家で待っている「子ども」に向けて愛していると呼びかけ、会場の温かい反応を誘った。
素顔の小ネタ
『ロマンス・タウン』に出演していた時期には、自ら翻訳した本のサイン会を開いたこともある。趣味は柔術で、食生活では魚介は食べるが肉は口にしないペスカタリアンとして知られる。デビュー当時に話題を集めたパク・ジェジョンとの通信会社CMは、電話越しにやり取りしていた男女が初めて対面する設定で、背の高い彼女が膝を折って目線を合わせ、彼を抱きしめる場面が見どころだった。ところが公式プロフィールでは二人の身長は同じと記されており、この演出はファンの間でたびたび話の種になっている。
プロフィール
作品
年は作品の公開日・放送開始日です。本人の参加時期を示すものではありません。
出典
リンク先の著作権は各発行元に帰属します。本文は転載せず、確認した事実をもとに書き起こしています。
- スヒョン — 人物の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-09
- 京城クリーチャー — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-09
- ヒーローではないけれど — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-09
- 満ち足りた家族 — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-09