イ・ソンミン
慶尚北道奉化出身の俳優。大邱の小劇場で長い下積みを経て上京し、『ゴールデンタイム』『ミセン-未生-』で広く知られるようになった。『KCIA 南山の部長たち』『財閥家の末息子』などで百想芸術大賞を重ねて受賞した、韓国を代表する演技派である。
更新 2026-10-08/出典確認 2026-10-09
生い立ちとデビューまで
二度諦めた俳優の夢
イ・ソンミンは1968年、慶尚北道奉化郡の農村に生まれ、中学からは隣の栄州市の学校に通った。俳優の道を意識したきっかけは、高校の団体鑑賞で観た一本の舞台である。本人は子どもの頃の自分に演技の素質はなかったと語るが、この夢は二度にわたって周囲に阻まれた。最初は大学受験のときだ。中央大学の演劇映画科に出願すると知った教師たちには相手にされず、映画好きだった父からも「お前には向いていない」と諭され、願書を破られたという。二度目は浪人中の20歳のとき。小白山のツツジ祭りの帰りにバスを降りた停留所で、栄州の劇団の団員募集ポスターを見つけ、勉強と両立できると考えて入団した。家族には内緒で初舞台まで踏んだが、自習室に通っていないことが母に知られて家中の反対に遭い、兵役を終えたら勉強に戻ると約束して再び舞台を離れた。
大邱での極貧の修業時代
それでも除隊後、演劇への思いは消えなかった。1991年、大邱の劇団演出家の誘いに応じ、わずかな所持金を持って大邱へ向かう。待っていたのは家具も網戸もない一間での暮らしで、食事もろくに取れず、空腹のあまりコーヒーフレッシュとマーガリンを湯に溶かしてすすったこともあったと語っている。それでも劇団の仕事は何でも引き受け、ポスター1万枚を一人で貼り切ったこともある。この時期に舞台の振付を通じて妻と出会い、写真も残せないほど質素な結婚をした。大邱時代には全国演劇祭で『豚狩り』により最優秀演技賞を受けている。後に「人生のゴールデンタイムは」と問われ、ポスターを貼りながら芝居に打ち込んだ20代だと答えた。
活動の歩み
遅咲きのブレイク
2002年、30代半ばで家族を大邱に残して単身上京し、劇団チャイムに所属して大学路の舞台に立った。生活は苦しく、仕事を失ったらすぐ働けるようタクシー会社や運転代行の電話番号をポケットに忍ばせていたという。映画では『密陽(シークレット・サンシャイン)』『グッド・バッド・ウィアード』などに小さな役で出演し、2010年のドラマ『パスタ~恋が出来るまで~』の憎めない雇われ社長役で注目され始めた。『ブレイン 愛と野望』の野心的な医師、『キング~Two Hearts』の先王などを経て、2012年『ゴールデンタイム』で外傷外科医チェ・インヒョクを演じ、事実上初めての主演級として高く評価された。2014年の『ミセン-未生-』のオ・サンシク課長役は原作漫画から抜け出たようだと絶賛され、翌年の百想芸術大賞でテレビ部門最優秀演技賞を受賞した。
映画とドラマの両輪で頂点へ
映画では2018年の『工作 黒金星と呼ばれた男』で北朝鮮側の人物リ・ミョンウンを演じて初めてカンヌのレッドカーペットを歩き、同作で百想芸術大賞の映画部門最優秀演技賞など主演男優賞を多数獲得した。2020年『KCIA 南山の部長たち』では朴正熙をモデルにした大統領を、特殊メイクと低い慶北方言で演じ、当初の「似ていない」という声を覆した。2022年にはNetflix『未成年裁判』、そして『財閥家の末息子』で財閥創業者チン・ヤンチョルを演じ、作品の評価を一身に背負うほどの存在感を示して2度目の百想テレビ部門最優秀演技賞を受けた。その後も『ソウルの春』『ハンサム・ガイズ』に出演し、2025年にはパク・チャヌク監督『No Other Choice(어쩔수가없다)』で青龍映画賞助演男優賞を受賞。2026年はNetflix『참교육(チャムギョユク)』で教育部長官を演じている。
エピソード
ソン・ガンホとの「親しくない」縁
劇団チャイムの先輩ソン・ガンホは彼の舞台をよく観に来ており、『グッド・バッド・ウィアード』のキム・ジウン監督に彼を推薦した。ところが監督に「ガンホさんと親しいの?」と聞かれた彼は、正直に「そんなに親しくはない」と答えてしまう。続いてパク・チャヌク監督の『渇き』にも推薦されたが、紹介で行くことに気後れし、同じ質問にまた「親しくない」と答えて落選したという。先輩の厚意を受けながらも社交辞令を口にできない生真面目さを物語る逸話である。『ハウリング』で共演してからは、胸を張って親しいと言えるようになったそうだ。
家族への思い
上京後に家族を呼び寄せた頃は家賃にも困るほどで、肉好きの幼い娘を1人前千ウォンほどの薄切り豚バラ(テペサムギョプサル)の店に連れて行き、少しだけ食べさせて帰ることしかできなかった。2020年にSBS『アラフォー息子の成長日記』に出演した際、その頃を思い出してしまうので今もこの肉は食べられないと涙ながらに明かし、苦しい時代を共にした家族への申し訳なさを口にしている。
プロフィール
作品
年は作品の公開日・放送開始日です。本人の参加時期を示すものではありません。
出典
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- イ・ソンミン — 人物の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- 第8日の夜 — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- 運の悪い日 — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- 未成年裁判 — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- マネーゲーム — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- 財閥家の末息子 — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- KCIA 南山の部長たち — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08