クォン・ヘヒョ
クォン・ヘヒョは韓国の俳優である。演劇出身で、映画・ドラマ・シットコムを合わせて100本以上に出演してきた。『冬のソナタ』で日本でも知られ、近年はホン・サンス監督作品の常連となった。在日朝鮮学校を支援する市民活動でも知られる。
更新 2026-10-08/出典確認 2026-10-09
生い立ちとデビューまで
「お前、俳優をやれ」の一言
1965年11月6日、ソウルで生まれた。父は歩兵出身の職業軍人で、大佐まで務めた人物である。3きょうだいを育てる家計は楽ではなく、漢陽大学の演劇映画学科に入ってからは奨学金を取り続けなければならなかった。1年を終えて陸軍に入隊し、1987年の6月民主抗争の時期には、軍でデモ鎮圧の訓練を受けていたという。学生運動に加われなかったこの経験が、のちの社会活動の原点になったと本人は語っている。俳優を職業として意識したのは復学後である。もともとは別の作品のスタッフだったが、人手が足りずに出た2年次のワークショップ公演で学年最高点を取り、指導教授から「俳優をやれ」と声をかけられた。1990年、3年生のときにブレヒトの『セチュアンの善人』で舞台デビューし、1992年には劇団員のままイ・ジャンホ監督の映画で初めてスクリーンに登場した。
活動の歩み
名脇役から「冬ソナ」へ
若手時代は、主人公の学校の先輩や会社の同僚といったコミカルな脇役を数多く演じ、「先輩専門俳優」と呼ばれた。1994年のインスタント麺CMで、自分の名前にかけたアドリブ「僕クォン・ヘヒョ、おいしいものだけ勧めます」が受け、商品より本人の知名度が上がった。1998年にはSBS演技大賞の優秀助演賞を受けている。舞台でも、映画『殺人の追憶』の原作となった演劇『날 보러 와요(私に会いに来て)』で1996年の初演から10年間キム刑事を演じた。日本では2002年の『冬のソナタ』でのキム次長役で顔が知られ、彼を前面に出した韓国語入門書や、連載コラムをまとめた韓国料理のレシピ本が日本で出版されている。
ホン・サンス作品と円熟期
2010年代以降は、ホン・サンス監督の作品に頻繁に出るようになり、2025年時点で12本に出演している。2017年の『それから』は1996年の『진짜 사나이(本物の男)』以来21年ぶりの主演映画で、釜山映画評論家協会賞の主演男優賞を受けた。ホン監督との仕事について「撮影中、それがどんな結果になるのかまったくわからない」と語り、だからこそ自由に演じられるという。もう一人の縁深い監督がヨン・サンホで、アニメ映画『我は神なり』で初の悪役に挑んだ後、『新感染半島 ファイナル・ステージ』『呪呪呪/死者をあやつる者』『寄生獣 -ザ・グレイ-』に出演した。2025年のヨン監督作『얼굴(顔)』では盲目の篆刻職人を演じ、2026年の野の花映画賞(ワイルドフラワー・フィルム・アワード)で主演男優賞を受賞している。
エピソード
親友パク・グァンジョンとの絆
漢陽大学の先輩パク・グァンジョンとは名コンビとして多くの作品で共演した。1996年の兵営ドラマ『신고합니다(申告します)』はその代表例である。初対面のとき、互いの顔を見て「これは手ごわいぞ」と思ったのだが、後で相手も同じことを考えていたと知り、二人で笑い合ったという。パク・グァンジョンが肺がんで世を去ったときも、遺族と並んで最後まで葬儀に付き添い、その義理堅さが話題になった。妻は演劇俳優のチョ・ユニで、2017年の『それから』で夫婦役を演じ、二人でカンヌのレッドカーペットを歩いた。
「社会運動の応援団」として
進歩的な市民活動に積極的に関わり、日本の朝鮮学校を人道支援する団体「モンダンヨンピル(ちびた鉛筆)」の共同代表を務めている。李明博政権下で文化芸術界のブラックリストに名前が載っていたことも後に明らかになった。2023年12月には、朝鮮総連関係者と無届けで接触した疑いで統一部の調査を受けたと報じられたが、団体側は公文書は個人ではなく団体宛てで、本人は該当行事に出席していないと反論した。また2005年には飲酒運転で摘発され、免許取り消し処分を受けている。2001年からは毎年欠かさずソウル独立映画祭の開幕式の司会を務めている。もっとも本人は「社会運動家」という肩書きはふさわしくないとして、インタビューでは「社会運動の応援者」くらいがちょうどいいと笑っている。
プロフィール
作品
年は作品の公開日・放送開始日です。本人の参加時期を示すものではありません。
出典
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