チェ・ウシク
カナダ育ちの韓国系俳優である。主人公の少年時代や脇役から地道に経験を積み、映画『巨人』で評価を確立した。『新感染』『パラサイト 半地下の家族』で国際的に知られ、ドラマ『その年、私たちは』でロマンスの主演としても人気を得た。
更新 2026-10-08/出典確認 2026-10-09
生い立ちとデビューまで
カナダで過ごした少年時代
1990年3月26日、ソウルの九宜洞(現在の広津区)に生まれた。兄とは7歳離れた次男で、遅く生まれた末っ子として可愛がられたという。2001年、小学生のうちに家族とともにカナダのブリティッシュコロンビア州コキットラムへ移り住み、10代のほとんどを現地で過ごした。放課後は川で泳ぎ、釣りや山歩き、自転車を楽しむ、自然に囲まれた少年時代だったと本人は語っている。進学先のサイモン・フレーザー大学では演劇学部で舞台演出を学んだが、本当に興味があったのはカメラの向こう側、つまり監督の仕事だった。撮る側に回る前に演じる側を知っておくのが早道だと考えたことが、俳優を志す出発点になった。
母の一言で韓国へ
両親はこの進路に強く反対した。美術を学ぶ兄とは別に、次男には人文系に進んでほしいと考えていたからである。最終的に背中を押したのは母で、「行って失敗して、人生の苦さを味わえばあきらめるだろう」という言葉とともに送り出され、大学を1年で辞めて2009年、19歳で韓国に渡った。きっかけを作ったのは当時の恋人だった。韓国では優しい目元の顔が人気だと演技を勧め、本人が迷っているうちにプロフィールを韓国の事務所へ送ってしまったという。慌てて航空券を取り、オーディションの前日にようやくソウルに着いた。演技を学んだ経験はまったくなかったが、キーイーストの練習生としてドラマ『ドリームハイ』のオーディションに合格し、演技やギターなど音楽のレッスンを受け始めた。
『チャクペ』で正式デビュー
ところが『ドリームハイ』は制作過程で計画が変わり、海外オーディション組の出演は立ち消えになった。2010年は時代劇『トンイ』の端役や菓子のCMなどで少しずつ現場を経験し、2011年2月、『ドリームハイ』と同じ時期に放送されたMBC『チャクペ ~相棒~』でイ・サンユンの少年時代を演じて正式にデビューした。この作品は少年時代を演じた俳優陣の演技が評判を呼び、ドラマも好成績を収めたため、一度は消えかけたチャンスが思わぬ形で実を結んだことになる。その後JYPエンターテインメントと専属契約を結んだ。演技の専門教育を受けないまま現場に入り、主人公の少年時代や脇役、準主役と少しずつ役を大きくしていった。後に本人は、俳優になってから監督の夢は完全に手放したと語っている。
活動の歩み
脇役の時代から『巨人』へ
2012年のSBS『屋根部屋のプリンス』で顔を知られるようになり、『닥치고 패밀리(黙ってファミリー)』や2015年のtvN『ホグの愛』では、気弱でお人好しな青年を自然体で演じて注目された。2013年秋から2014年7月までは消防士体験バラエティ『심장이 뛴다(心臓が躍る)』に1年間出演し、最年少の救急隊員として本気で救助に取り組む姿が現役隊員にも認められた。2014年にはドラマ『高慢と偏見』で若手検事を演じている。転機は同じ2014年11月公開の映画『巨人』だった。出口の見えない境遇でもがく少年ヨンジェ役で専門家から高く評価され、釜山国際映画祭で今年の俳優賞、翌2015年には青龍映画賞の新人男優賞を受賞した。
二本の1000万映画と『パラサイト』
2016年の『新感染 ファイナル・エクスプレス』では野球部の高校生ヨングクを演じ、作品は公開19日で観客1000万人を突破した。2017年はポン・ジュノ監督の『オクジャ/okja』で短い出番ながら強い印象を残し、ドラマ『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~』では純朴に見えて実は婚約者を隠していた男を特別出演で演じ、視聴者を驚かせた。2018年の映画『The Witch/魔女』では謎めいた悪役「貴公子」を演じ、新しい一面を見せた。同年11月にJYPとの契約を終えて事務所を移り、2019年にポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』で一家の長男ギウを演じた。作品はカンヌ国際映画祭やアカデミー賞で頂点に立ち、本人にとって2本目の1000万映画となった。
ロマンスの主演と近年の作品
2021年12月から放送されたSBS『その年、私たちは』では、『魔女』で死闘を演じたキム・ダミと恋人役で再会した。過去の傷を抱えた純朴な青年チェ・ウンを繊細に演じて大ヒットさせ、ドラマの代表作となった。その後は事務所を移り、2024年2月にはNetflix『殺人者のパラドックス』でソン・ソックと共演した。偶然人を殺してしまう大学生イ・タン役で、6年ぶりに犯罪スリラーに挑んだ。同年6月にはコロナ禍で公開が延びていた映画『ワンダーランド』がようやく公開され、『巨人』のキム・テヨン監督と再び組んだ。2025年はNetflix『メロムービー』でパク・ボヨンと共演し、続くSBS『우주메리미(ウジュ、メリーミー)』ではチョン・ソミンと偽装夫婦を演じ、最終回で番組最高の視聴率(全国9.1%)を記録した。2026年には主演映画『넘버원(ナンバーワン)』が公開され、2027年にはtvN『고래별(クジラ星)』の放送が予定されている。
エピソード
二度断った『巨人』
出世作『巨人』(2014年)の出演オファーを、チェ・ウシクは実は2度断っている。当時は出演作が少なく、同年代の仲間が次々と仕事をつかむなかで自分だけが取り残されているという焦りを抱えていた。気負うほど芝居もかえってうまくいかなくなり、施設で暮らす少年ヨンジェという重い役を自分が背負いきれるのかという怖さが先に立ったのだという。それでも最後は、駄目なら別の道を探せばいいと腹をくくり、全力で役に飛び込んだ。この作品で青龍映画賞の新人男優賞を受賞した際には、壇上でお辞儀をした拍子にマイクへ頭をぶつける一幕もあった。賞を受けてようやく自分の道は間違っていなかったと思えたといい、本人は「『巨人』は僕の人生を変えた」と振り返っている。
「振られる、死ぬ」が定番
人のよさそうな顔立ちと細身の体格もあってか、気の弱い青年や報われない役を任されることが多い。ドラマでは失恋し、映画では最後に命を落とすのが定番だと、ファンの間では冗談めかして語られてきた。実際『新感染』や『The Witch/魔女』では結末で命を落とし、『パラサイト』でも後味の悪い運命をたどる。だからこそ、恋が実る『その年、私たちは』は貴重なハッピーエンドとして喜ばれた。ネット上では出演場面が切り取られて広まることも多く、『ホグの愛』でのひよこダンスや、『高慢と偏見』でチェ・ミンスと酒を酌み交わす会食シーンは今も繰り返し使われている。
「ウガファム」と素顔
私生活では交友関係の広さで知られる。パク・ソジュン、BTSのV、パク・ヒョンシク、Peakboyと作る仲良しグループ「ウガファム」は有名で、2025年のインタビューでは、ただの友人同士なのにいつの間にかグループ名までついてしまったと苦笑し、最近は皆忙しくてなかなか会えないとも話している。tvNの『夏休み』『ユンステイ』『ソジンの家』などのバラエティでも、イ・ソジンやチョン・ユミと気負わない姿を見せ、末っ子らしいキャラクターで人気を集めた。2008年生まれのヨークシャーテリア「チョコ」を家族として大切にしており、ファンの間では「チョコパパ」とも呼ばれる。韓国で活動しながらも国籍はカナダで、英語名はエドワードである。
プロフィール
作品
年は作品の公開日・放送開始日です。本人の参加時期を示すものではありません。
出典
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- チェ・ウシク — 人物の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- 殺人者のパラドックス — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- パラサイト 半地下の家族 — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- 서진이네 — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- オクジャ — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- 윤스테이 — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- 使者 — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- その年、私たちは — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08