イ・ジュンギ
イ・ジュンギは釜山出身の俳優。下積みを経て2005年の映画『王の男』の芸人コンギル役で一躍注目を集め、以後は時代劇から現代のサスペンスまで、自らこなすアクションと繊細な感情表現を武器に主演作を重ねている。
更新 2026-10-08/出典確認 2026-10-08
生い立ちとデビューまで
プログラマー志望から舞台へ
もともとの夢はコンピューターのプログラマーだった。転機は高校2年のとき、友人と観に行った演劇『ハムレット』で、舞台の魅力に引き込まれて俳優を志すようになったという。しかし両親の反対は強く、通い始めた演技塾の月謝を遊びに使ってしまったこともあり、演劇映画学科への進学もかなわなかった。のちにトーク番組でこの頃を振り返り、行き場を失った末に釜山から当てもなくソウルへ出てきたと打ち明けている。
屋根部屋暮らしとオーディション
上京後は屋上の小部屋に住み、ビリヤード場やビアホールなどでアルバイトを掛け持ちした。ソウルで頼れる知人はタレントのロバート・ハリーだけで、しばらく彼の家に泊めてもらったという。目標を見失いかけた自分に腹が立ち、改めて演技の勉強に打ち込んだが、受けるオーディションは落ち続けた。転機はオーディションの合同説明会で、たまたま取材に来ていた放送局のカメラをきっかけに芸能事務所の関係者から名刺を受け取ったことだった。モデルや端役で経験を積んだのち、映画『王の男』のシナリオに惚れ込み、自ら監督に挨拶に出向いてオーディションに臨んだ。
活動の歩み
『王の男』で一夜にしてスターに
『王の男』のオーディションは3次まで続き、結果が出るまでの約1か月を本人は「피 말리는 시간(身の細る時間)」と表現している。撮影開始前の3か月ほどは芸人の基礎訓練と演技の稽古に充て、話し方や仕草を作り込むよりも、空っぽの状態で場面ごとの状況に素直に反応することを心がけたという。暴君・燕山君を惹きつける芸人コンギルを演じた同作の大ヒットで、2005年末から一気にスターとなり、当時「きれいな男」ブームの象徴として語られた。本人は取材で、突然の人気に戸惑いつつ「自分ではない自分になったような感覚」だと語っている。その後は映画『光州5・18』、ドラマ『マイ・ガール』『イルジメ〔一枝梅〕』などで主演級の地位を固めた。
除隊後の時代劇とアクション
兵役を終えて2012年にMBCの『アラン使道伝』で復帰し、幽霊が見える地方官ウノを演じた。続く2013年の『TWO WEEKS』では殺人の濡れ衣を着せられた逃亡者で、デビュー以来初めて父親役に挑んでいる。2014年のKBS『朝鮮ガンマン』では銃を手にした剣士パク・ユンガンを演じ、同局の演技大賞で優秀演技賞を受けた。2015年には同名漫画が原作のMBC『夜を歩く士(ソンビ)』で朝鮮時代のヴァンパイアに扮し、韓服姿での殺陣が話題になった。翌2016年、中国小説をリメイクしたSBS『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』で、のちに高麗の光宗となる第4皇子ワン・ソを演じ、全編を事前制作して韓国と中国でほぼ同時に放送された。
現代劇への広がり
三作続いた時代劇のあと、2017年にはアメリカの人気ドラマをリメイクしたtvN『クリミナル・マインド: KOREA』で、原作にはないオリジナルの捜査官キム・ヒョンジュンを担当した。2018年の『無法弁護士』では、かつて『犬とオオカミの時間』で組んだキム・ジンミン監督と再びタッグを組み、柔術を取り入れたアクションで復讐に燃える弁護士ポン・サンピルを演じた。2020年のtvN『悪の花』では、過去を隠して金属工芸家として暮らす男ト・ヒョンスを演じ、妻役のムン・チェウォンと夫婦の緊張感を描いた。2022年のSBS『アゲイン・マイ・ライフ~巨悪に挑む検事~』では、殺された検事が過去に戻って巨悪に立ち向かう物語の主人公キム・ヒウを務めている。
アジア合作ドラマへの参加
2023年にはtvN『アスダル年代記』の続編『アラムンの剣』で、双子の兄弟ウンソムとサヤの一人二役を演じた。全12話の放送が終わった際には、所属事務所を通じて約9か月に及んだ撮影を振り返り、名残惜しさのほうが大きいとコメントしている。同年は日本でもファンミーティングを開いた。2026年5月には、韓国・日本・香港の制作陣が共同で手がける『キッドナップ・ゲーム(kiDnap GAME)』への主演が発表された。アジア7都市で同時に起きた誘拐事件を軸に、大切な人を取り戻すために命がけのゲームに加わる人々を描く作品で、彼は視覚障害のある娘をさらわれた元外科医ハン・ギジュを演じる。共演は坂口健太郎らで、韓国ではチャンネルAで2026年10月6日から、日本ではフジテレビで10月から放送される予定と告知された。
エピソード
吹き替えなしの危険な撮影
アクションをほぼ自分でこなすことで知られ、撮影現場では危うい場面にも遭遇してきた。『TWO WEEKS』では逃亡者の役柄上、山道やごみの山での撮影が多く、ストロー1本で呼吸しながら土に埋まる場面にも代役を立てずに臨んだ。のちにバラエティー番組で、前日の雨で流れが速くなった渓谷で水に流される場面を自ら撮った際、本当に命の危険を感じたと明かしている。ハリウッド映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』でも、アンブレラ社の司令官リーとしてミラ・ジョヴォヴィッチと一対一で戦う場面を演じ、彼女から「スタントなしで全てのアクションをこなした」と称えられた。
役に合わせた減量
役作りのために体重を大きく落とすことが少なくない。『麗』のワン・ソ役では十数キロを減量したとされ、放送前の重圧でさらに痩せたという。最終回後に公開された動画では、これまでの時代劇と差をつけるために悩み抜いたと振り返り、役に向けて「고생 많았고 왕소야 잘가(お疲れさま、ワン・ソ、さようなら)」と別れを告げた。『無法弁護士』では18年間苦しみを抱えて復讐に生きる人物像と、より素早い動きを見せたいという狙いから減量したと説明し、のちにはキャリアの中で最も体重を落とした時期だったとも語っている。
『悪の花』で抑えたアクション
『悪の花』に入る前、本人は普段の得意とする派手なアクションを10分の1ほどに減らそうと決めていたという。手数の多い殺陣はこの作品の助けにならないと考え、感情を伝えることに重心を置いた。一方で、マンションの手すりの場面や水責めの場面など追い詰められるシーンは、代役を立てずに自分の体でぶつかって撮影した。感情を感じられない人物が単なる無感情のサイコパスに見えないよう、相手役一人ひとりへの小さな反応に特に気を配り、監督や作家、カメラ監督とも意見を交わし続けたと明かしている。
ハリウッドからの誘い
『バイオハザード』シリーズ最終作への出演は、彼のアクションを見て興味を持ったポール・W・S・アンダーソン監督が、自らメールで出演を打診したことから実現した。もともとシリーズのファンだった本人は、最終章に加わること自体に意味があると考えて特別出演を決めたという。撮影は南アフリカで行われ、出演の事実はしばらく伏せられていたが、ミラ・ジョヴォヴィッチが自身のSNSに彼との写真を投稿したことで広く知られることになった。監督も、アクション演出で彼に多く助けられたと語っている。
兵役と私生活の話題
人気絶頂期の2008年、ドラマ『イルジメ〔一枝梅〕』の撮影中に、当時の街頭デモへの強制鎮圧を批判し、政治家に「정신 좀 차리세요(しっかりしてください)」と呼びかける文章をファンサイトに投稿し、芸能人の政治的発言として注目を集めた。2010年には入隊し、約2年間の兵役で活動を中断している。私生活では、女優チョン・ヘビンとの交際を双方の事務所が認めて話題になったが、のちに破局したことが報じられた。
プロフィール
作品
年は作品の公開日・放送開始日です。本人の参加時期を示すものではありません。
出典
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- イ・ジュンギ — 人物の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- 悪の花 — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- アゲイン・マイ・ライフ~巨悪に挑む検事~ — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- クリミナル・マインド: KOREA — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08
- 無法弁護士 — 出演者・公開日の構造化データWikidata/構造化出典/確認日 2026-10-08